厚生労働省は11月28日の社会保障審議会医療部会に、地域医療構想の今後の進め方の案を示した。現行の地域医療構想は2025年で終了するが、人口動向は40年頃に新たな局面を迎え、高齢者人口の減少と生産年齢人口の激減が始まることが見込まれる。こうした人口構造の変化に対応した医療提供体制の再構築が必要であるほか、コロナ禍で顕在化した課題への対応も求められる。このため厚労省は、26年度以降を見据えた新たな地域医療構想の策定を提案。23~24年度の2カ年で国における検討や制度的対応を行い、25年度から都道府県による新たな構想の作成を開始する考えを示した。
同日の部会には、地域医療連携推進法人制度と認定医療法人制度の見直し案も示され、了承された。地域医療連携推進法人は、既存の類型とは別に、個人立の医療機関の参加も可能な新類型を設ける。新類型では公認会計士や監査法人による外部監査を不要とし、代表理事再任時の手続きを緩和するなど、既存類型に比べて要件を緩和。制度の活用を促すことで、地域医療構想や外来における機能連携の推進などにつなげる。ただし、新類型が行えるのは、「ヒト」(人事交流など)と「モノ」(医薬品・医療機器の共同購入、病床の融通など)の融通のみとし、「カネ」(出資、貸付)の融通はできないこととする。
認定医療法人は、23年9月末までとなっている制度の適用期限を延長。認定から移行完了までの期限も延長する。現在は移行計画を厚生労働大臣が認定してから「3年以内」に移行を完了しなければならないが、期限までに出資者から持分放棄の同意を得ることができずに認定取り消しになるケースが散見されたため、「5年以内」に見直すことにした。