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■NEWS コロナ治療薬「ゾコーバ錠」に高額医薬品ルールを初適用へ―中医協総会
中央社会保険医療協議会は1月25日の総会で、新型コロナウイルス感染症治療薬の「ゾコーバ錠125mg」について、2022年度薬価制度改革で導入された高額医薬品への対応ルールを初めて適用することを決めた。今後は薬価専門部会で、薬価算定や薬価収載後の価格調整の方法について議論する。
高額医薬品の薬価収載が医療保険財政に及ぼす影響の大きさを考慮し、22年度薬価制度改革の骨子では、市場規模が年間1500億円を超えると見込まれる品目が薬事承認された場合には、通常の薬価算定の手続きに先立って中医協総会に報告し、薬価算定の方法を議論するルールが新たに設定された。
ゾコーバ錠は、22年11月に1年間の期限付きで緊急承認された。正式な薬事承認を経て薬価収載されるためには、期限内に必要なデータを揃え、改めて承認申請を行う必要がある。投与対象は重症化リスクのない軽症〜中等症の新型コロナ患者で、重症化リスクのある患者を対象とした既存の新型コロナ感染症治療薬とは投与対象や投与目的が異なるほか、重症化抑制効果も確認されていない。陽性者の約0.2％に投与されている現在の状況を踏まえれば市場規模が大きくなるとは考えにくいが、厚労省は今後の感染動向の変化によっては市場規模が年間1500億円を超える可能性があると判断。高額医薬品への対応ルール適用を総会に提案し、薬価専門部会で具体策を検討することが正式に了承された。
■類似薬効比較方式の類似薬の選択次第で算定薬価が大きく変化
これを受けて同日開催された部会では、（1）新薬として薬価収載する際の薬価算定方法、（2）薬価収載後の価格調整のあり方―が主な論点として提示された。（1）では、類似薬効比較方式を採用した場合に、比較対象薬を新型コロナ治療薬と、インフルエンザ治療薬のどちらにするかで、算定薬価が大きく変わる点が課題。（2）では新型コロナの感染動向の事前予測は難しく、▶市場拡大再算定等の適用検討の基準となる予想販売額の設定が困難、▶市場拡大再算定等、費用対効果評価とも結果が薬価に反映されるまでには一定の期間を要し、市場規模の急激な拡大への対応が困難―といった課題がある。
なお部会では、関係業界からの意見聴取の機会を設けることや、今回決定する方針の適用対象をゾコーバ錠に限定することなどが確認された。
