日本医師会の松本吉郎会長は15日の会見で、政府が10日に国会に提出した全世代対応型社会保障法案にかかりつけ医機能報告制度が盛り込まれた点について、今後、医療機関は地域の住民から「選ばれる努力が必要になる」と指摘した。そのために日医かかりつけ医機能研修制度を受講するなど、会員のかかりつけ医機能の習得に期待を示した。
一方、「かかりつけ医、かかりつけ医機能の認定制には明確に反対する」と強調。医療機関からの報告に対して都道府県が行う「確認」について、先日の自民党厚生労働部会でも、厚生労働省から「処分対象の行政行為ではなく、事実行為としての確認である」との説明がなされたことを紹介した。
医療法人が経営状況を都道府県に報告する規定が法案に盛り込まれたことについては、「今回の制度の開始に当たっては、あくまで任意で報告するものになった。万が一にも個別の詳細な経営状況が公開、漏洩されることのないよう、慎重に運用することを求める」と強調した。
15日の会見では、6日に発生したトルコ・シリア地震に対する支援活動も紹介された。国際医療援助団体であるNPO法人AMDA(岡山市)に500万円の義援金を委託。AMDAはすでに現地入りし、トルコ医師会のインジャンジュ会長にうち300万円を手渡したという。松本会長はさらに、「全国の医師会員に義援金を呼びかける準備をしている」と紹介した。