中央社会保険医療協議会は2月15日の総会で、2024年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価方法などの案を了承した。例年のように医療技術の新規保険導入についての提案を学会から募るとともに、既存の医療技術の再評価も進める。
医療技術の新規保険導入については、学会から提案のあった技術や先進医療として実施されている技術を対象に医療技術評価分科会が検討を進め、その結果を踏まえて中医協総会が最終的な可否を判断。診療報酬改定のタイミングで保険導入するスキームとなっている。
この日了承された案によると、24年度改定もこの流れで手続きを進め、2月中旬から6月上旬にかけて学会からの保険導入に関する提案書を募集。その後は事務局による提案内容の確認作業や分科会での検討などを経て、23年度内に評価結果を中医協総会に報告する。
これと並行して分科会が指定する既存医療技術について、診療ガイドラインの改訂やレジストリ(症例データなどを登録・管理するデータベース)の解析結果など、最新の医学的知見を踏まえた再評価も実施する。
対象は、▶22年度診療報酬改定で対応する優先度が高いとされた医療技術のうち、学会からの提案書の「ガイドライン等での位置づけ」の欄に「ガイドライン等で記載あり」とされていた技術113件、▶16〜22年度までの診療報酬改定において、レジストリの登録を要件として保険適用された技術35件。これら技術のガイドラインでの位置づけの変化やレジストリの解析結果などについて、学会に報告書の提出を求める。提出期間は2月中旬から4月下旬まで。新規保険導入技術の場合と同様、23年度内に分科会による評価結果を中医協総会に報告する。
同日の総会には22年度の先進医療と患者申出療養の実績も報告された。それによると、22年6月30日時点で実施されていた技術数は、先進医療が83種類、患者申出療養が8種類。費用の状況は、▶先進医療/保険外併用療養費の総額(保険診療部分)・約84.6億円、先進医療費用の総額・約66.7億円、総金額・約151.4億円、▶患者申出療養/保険外併用療養費の総額・約1.5億円、患者申出療養費用の総額・約1.1億円、総金額・約2.6億円―だった。