国民医療推進協議会は5月31日、日医会館で総会を開き、6月に政府が閣議決定する「骨太の方針」に、2024年度のトリプル改定での物価高騰と賃上げへの対応を明記し、必要財源を確保するよう求める決議を採択した。
同協議会は2004年10月に日本医師会の呼びかけで発足、国民皆保険の維持や禁煙推進の活動などを行ってきた。現在は医療、介護、保健、福祉などの関係団体41団体で構成されている。
31日の総会はオンライン形式で行われ、会長の松本吉郎日医会長をはじめ副会長の堀憲郎日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長、福井トシ子日本看護協会会長が挨拶。新型コロナへの対応で医療・介護現場が疲弊していること、公定価格で運営する医療機関、薬局、介護施設では物価・人件費の高騰で苦慮していることなどが強調された。
続いて国民に不可欠な医療・介護を確保するため、必要財源を確保するよう政府に求める決議案が提案され、賛成多数で採択された。
同協議会を開催して決議を採択した背景には、少子化対策の財源を捻出するため社会保障費の歳出削減が取り沙汰されていることへの危機感がある。また物価高騰と賃上げへの対策は岸田政権の優先課題でもあり、「骨太の方針」への明記を迫ることで来春のトリプル改定に向けた足がかりにする狙いがある。