田村憲久厚生労働相は9日の閣議後会見で、患者が他の医療機関の紹介状を持たずに200床以上の大病院の外来を受診した場合、初診料・再診料を全額自己負担とする改革案を検討していることを明らかにした。
紹介状なしの外来患者の自己負担割合の引上げについては、昨年成立した社会保障制度改革プログラム法の中で、外来の機能分化促進の観点から軽症患者の大病院受診を適正化する方向性が盛り込まれている。現在200床以上の大病院は、紹介状のない患者に対し初診料などとは別に選定療養の枠組みで特別料金を徴収できるが、導入している病院は対象の半数以下となっている。
患者に初・再診料の全額負担を求める改革案について田村厚労相は、「あくまでさまざまな案が出ている中の1つ」としている。厚労省は今後、社会保障制度改革国民会議の議論の中でも出た1万円の定額自己負担制などの案も含め、社会保障審議会医療保険部会での議論を経て結論をまとめ、来年の通常国会に提出予定の健康保険法改正案に盛り込む方針だ。