研修医1年目、担当した子たちとは、自分の未熟さも手伝って自然と仲良くなった。11歳だった陽太君(仮名)もその1人である。
陽太君の手術歴は濃厚だった。単心房・単心室をはじめとする複雑な心疾患に立ち向かった記録、実に丁寧に細かく記載されたオペ記事が何通も引き継がれていた。そして今後も時期を見ての手術が待っている。そんな陽太君は、ストレスなどで発作性心房性頻拍症(PAT)を起こすことがとても多かった。アラームが鳴れば飛んでいくのが私の仕事だった。
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