【概要】厚労省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」は7月24日、病床機能報告制度の詳細を決めた。同省は近く医療機関向けのマニュアルを作成する。
病床機能報告制度は、病床を有する全国の医療機関が、病床の医療機能の現状と今後の方向性を「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4区分(下掲)から1つ選択し、病棟単位で都道府県に報告する制度。さらに病棟の構造設備・人員配置や、提供している医療内容(入院患者の状況、手術の実施、がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療、救急医療の実施など)も報告する。今年10月からスタートする。
都道府県はこの情報と、2025年の医療需要の予測をあわせて、2025年に目指すべき医療提供体制をおおむね2次医療圏ごとに「地域医療構想」として策定。医療計画に反映して病床の機能分化を進める。
24日の検討会では、積み残しの課題となっていた、医療機能の「今後の方向性」をいつの時点とするかについて議論。当初、地域医療構想が目指す「2025年」とする案もあったが、不確実性が高いため採用されず、中期的な予定を把握できる6年先とすることになった。
●来年度以降は通年か複数月のデータを報告
同制度では、医療機関の負担を軽減するためレセプトを活用して医療内容を報告する。医療機関はレセプトに病棟コードを付記して診療報酬を請求。システム改修は次の診療報酬改定と同時に行う。
システム改修が間に合わない今年度は、「構造設備・人員配置」は施設基準の届出時期とあわせて7月1日時点の状況を「病棟単位」で報告。「医療内容」は7月審査分のレセプトから「病院単位」で厚労省が集計する。来年度以降は、通年または複数月分のデータを報告する方向で検討する。
なお、医療機関が都道府県に報告した情報は国民にも公表されるが、その方法については、厚労省が新たに立ち上げる検討会で議論する予定。
厚労省は近く、関係省令を公布するとともに、医療機関向けマニュアルを作成し、制度の周知を図る。