政府は25日、2015年度予算概算要求の基本方針を了承した。医療・年金分野では、今年度予算(29.3兆円)に自然増8300億円を加えた範囲内で増額要求を認めた。裁量的経費については、今年度予算額の90%の範囲内とする一方、「骨太の方針2014」や「成長戦略改訂版」などを踏まえた諸課題に対しては「新しい日本のための優先課題推進枠」を設定。中期財政計画である2020年度に基礎的財政収支黒字化を達成できる範囲で措置するとし、要望基礎額の30%(約4兆円)の要求を認めた。
自然増については「高齢化による増加とそれ以外の要因による増加などその内容を厳しく精査していくことを含め、合理化・効率化に最大限取り組み、その結果を15年度予算に反映させることとする」とした。消費税率を10%に引上げる税制抜本改革に伴う社会保障の充実については、引上げの判断も含めて予算編成過程で検討する。
同日に開かれた経済財政諮問会議は「15年度予算の全体像」についても了承した。医療分野の主な項目として、(1)自然増の厳しい精査、(2)地域ごとの医療費水準などの目標設定、(3)ICT化による支出の効率化、(4)薬価改定の頻度の短縮─などが盛り込まれている。