中央社会保険医療協議会は1月31日、前回に引き続き、2024年度診療報酬改定の個別改定項目について議論した。回復期リハビリテーション病棟の入院患者に対する運動器リハビリテーションの提供を1日6単位に制限する見直しについては、診療側から見直しを求める意見も出された。
回復期リハ病棟の患者は「疾患別リハビリテーション料」の算定単位上限の緩和対象となっており、1日9単位までのリハ提供が可能。しかし運動器リハでは、1日6単位を超えるとリハ提供単位数とFIM(機能的自立度評価法)の改善に相関がみられなくなることが判明。そのため個別改定項目案では、回復期リハ病棟の入院患者のうち「運動器リハビリテーション料」の算定患者を上限緩和対象から外し、1日当たりのリハ提供単位数を6単位までに制限する方針が打ち出された。
この案に対して診療側からは、「FIMだけで評価するのはいかがなものか。今からでも可能なら見直してほしい」(太田圭洋委員・日本医療法人協会副会長)、「平均ではそう(6単位超のリハビリ提供に効果がない)なるかもしれないが、個々の患者や実施期間、時期によって結果は異なる。次回改定に向けた検討をお願いしたい」(池端幸彦委員・日本慢性期医療協会副会長)など、見直しを求める意見が相次いだ。
入院関係ではこのほか、「救急医療管理加算」の見直しも盛り込まれた。「加算1、2」とも算定要件において、単なる経過観察で入院させる場合や、その後の重症化リスクが高いために入院させる場合など、入院時点で重症患者でない患者は算定対象に含まれないことを明確化。また、「加算2」の算定患者に占める「その他の重症な状態」の該当患者の割合が基準を超える施設の評価を適正化する。
24年度改定の重要項目の1つである高齢者の救急搬送問題への対応では、三次救急医療機関等による下り搬送を評価する「救急患者連携搬送料」を新設する。対象患者は、救急外来を受診した患者または入院3日目までの患者とし、医師や看護師、救急救命士が同乗して連携先医療機関に転院搬送した場合に算定する。施設基準では、①救急搬送で相当の実績がある、②連携先医療機関と転院体制に関する事前協議を実施している、③転送した患者の病状急変に備えた緊急の診療提供体制を確保している―などを求める。