中央社会保険医療協議会は2月7日、2024年度診療報酬改定の答申書附帯意見をとりまとめた。改正医療法の施行状況を見極めながら、かかりつけ医機能に関する評価のあり方を検討することや、高齢救急患者向けの地域包括医療病棟の新設を受けて10対1の急性期一般病棟の再編を含む、評価のあり方を検討することなどを盛り込んだ。
医療従事者の処遇改善では、基本診療料の加算(外来・在宅ベースアップ評価料等)で対応する看護職員等の医療関係職種の賃上げと、基本診療料の引き上げで対応する40歳未満の勤務医や事務職員等の賃上げについて、各医療機関で賃上げが適切に実施されているかを把握した上で、検証を行うと明記した。
外来医療では、かかりつけ医機能を有する医療機関について、改正医療法に基づく制度整備の状況を踏まえつつ、かかりつけ医機能がより発揮される評価のあり方を検討するよう要請。「地域包括診療料・加算」における介護保険サービスとの連携に関する評価や、生活習慣病の管理に関する評価の見直しによる影響の調査・検証の実施も求めた。
入院医療では、高齢者の救急搬送問題への対応として新設する地域包括医療病棟について、高齢者の急性疾患の受け入れ状況やリハビリテーション・栄養管理・口腔管理などのアウトカムを幅広いデータに基づいて分析するとともに、評価のあり方を検討する必要性を指摘。また、同病棟と看護配置が同じ10対1の急性期一般病棟について、入院機能を明確にした上で、再編を含めた評価のあり方を検討することを今後の課題に挙げた。
このほか、「重症度、医療・看護必要度」の評価項目や該当患者割合の基準値などが大きく見直される「急性期一般病棟入院基本料」や、入院41日以上の評価が減算されることになった「地域包括ケア病棟入院料」などについて、改定による影響の調査・検証の実施や入院料の評価のあり方を検討することも求めた。