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医療専用IDの創設求める - 三師会、マイナンバー活用で

No.4727 (2014年11月29日発行) P.7

登録日: 2014-11-29

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日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は19日、医療分野でのマイナンバーの活用に関して、マイナンバーとは別の医療分野専用IDの創設を求める声明を発表した。
声明では、医療情報の集積・活用については公益上の理由から必要性を認めている。ただ、国民全員に割り振られる固有のIDで医療情報を管理すれば、特定の人物の一生涯の医療記録を他者が統合して利用できる可能性があり、漏洩した場合のリスクが高いことから、他の分野とリンクしない医療分野専用のIDが必要としている。
12桁のマイナンバーを券面に記載した「個人番号カード」に健康保険証の機能を持たせる案に対しても、病歴がマイナンバーと結びつくことや第三者に盗み見られる可能性を否定できないとして,強く反対。医療情報は身体の特徴をよく表し、他の情報と照合すれば個人を特定できることから、二次利用は厳しく制限し、突合は原則禁止とするよう求めている。
日医の石川広己常任理事は、21日に開かれた厚生労働省の「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」で改めて声明について説明。複数の構成員が情報漏洩への懸念から賛同し、マイナンバーとは別のIDが必要との認識でほぼ一致したが、「膨大な医療情報は新薬創出や医療行為の効率化を進める上で有用なツールだ」(森田朗構成員)として、共通IDによる管理の利点を強調する声も上がった。

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