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■NEWS 長期収載品の選定療養化で処方箋記載にあたっての留意事項を提示―厚労省が疑義解釈(その2)

No.5237 (2024年09月07日発行) P.71

登録日: 2024-08-30

最終更新日: 2024-08-30

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厚生労働省は821日、長期収載品の選定療養化に関する疑義解釈資料の第2弾を作成し、地方厚生局などに送付した。処方箋記載にあたっての留意事項や生活保護受給者が長期収載品の処方を希望した場合の対応などを示した。

2024101日から、長期収載品のうち、①後発医薬品の上市から5年以上経過、②5年未満であっても後発医薬品への置換え率が5割以上―のいずれかに該当する品目の処方・調剤は選定療養の対象になる。このため患者には、長期収載品の薬価と後発医薬品の最高価格帯との価格差の14に相当する額とその消費税が追加負担として生じる。

ただし、医療上の必要性が認められる場合は従来通り保険給付の対象となる。そこで厚労省は処方箋様式を見直し、①医師が医療上必要と判断して処方箋の「変更不可(医療上必要)」欄にチェック等を記入した場合は長期収載品の処方であっても保険給付対象、②患者の希望で長期収載品を処方し、「患者希望」欄にチェック等を記入した場合は選定療養の対象―などと取扱いを整理している。

この処方箋記載ルール上の注意事項として疑義解釈は、「変更不可(医療上必要)」欄にチェック等を記入した場合は、「患者希望」欄には何も記入せず空欄のままにするよう指示。仮に両方に記入がある処方箋を薬局が受け付けた場合には、処方医師に疑義照会を行うよう求めた。

101日以前に処方された長期収載品の処方箋が制度施行後に薬局に持ち込まれた際の対応にも言及。その処方箋が2回目以降の調剤のためのリフィル処方箋や分割指示のある処方箋であった場合も含め、制度施行前の取扱い(保険給付)が適用されると説明した。

■生活保護受給者では選定療養による長期収載品の処方等は不可

生活保護受給者の対応では、長期入院選定療養以外の選定療養は医療扶助の支給対象とならないため、一般の患者のような選定療養による長期収載品の処方・調剤が一切認められないことを明記。生活保護者である患者が医療上の必要性がないにもかかわらず、単にその嗜好から長期収載品を希望した場合には、後発医薬品を処方・調剤する必要があることを示した。


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