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エーザイ:9年ぶりのALS新薬「ロゼバラミン」承認へ[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5238 (2024年09月14日発行) P.15

登録日: 2024-09-10

最終更新日: 2024-09-10

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薬事審議会医薬品第一部会は8月26日、エーザイが申請しているALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬「ロゼバラミン筋注用25mg」(一般名:メコバラミン)について、国内での製造販売を承認して差し支えないとの結論をまとめた。承認されれば、2015年にALSの適応が追加された「ラジカット」(一般名:エダラボン)以来、およそ9年ぶりのALS新薬となる。

メコバラミンは生体内補酵素型ビタミンB12の1種。「メチコバール」として末梢性神経障害やビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の適応で承認・販売されている。ALSの病態における作用機序は解明されていないが、非臨床研究の結果から神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されている。

エーザイは2006年から実施した臨床第Ⅱ/Ⅲ相試験761例の結果を基に2015年5月に承認申請を行ったが、追加試験が必要と判断されたため2016年3月に申請を取り下げていた。

同社はその後、徳島大の梶龍兒特命教授、同大大学院の和泉唯信教授、千葉大の桑原聡教授らにより実施された医師主導治験の結果に基づき、2024年1月に再申請を行った。同試験は高用量メコバラミンの有効性と安全性の検証を目的に、発症から1年以内にALSと診断された患者130名を対象に実施された。

ALSは大脳と脳幹や脊髄に起始する運動ニューロンの消失により、全身の筋萎縮と筋力低下をきたす難治性神経変性疾患。日本における患者数はおよそ1万人と推定されている。

「ロゼバラミン」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制
【用法・用量】通常、成人には50mgを1日1回、週2回筋肉内に注射する

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