日本医師会は1月28日、「日本の医療に関する意識調査」の結果を発表した。在宅医療を進める政府の方針とは対照的に、国民は長期入所施設の整備を求めている状況が明らかとなった。
調査はおおむね3年ごとに実施されているもの。今回は2014年8月に20歳以上の国民6789人(個別面接調査1122人、WEB調査5667人)から回答を得た。
今後の医療提供体制で重点を置くべき課題を3つまで聞いたところ、「高齢者などが長期入院するための入院施設や介護老人保健施設の整備」が56.4%と最も多く、次いで「夜間休日診療や救急医療体制の整備」(49.6%)が上がった。年齢別でみると、40歳代を境に、若年層は救急医療、高齢層は長期入所施設を最重要課題と認識していた。
受けた医療の満足度は89.6%と高く、2011年の前回調査より1.3ポイント上昇した。満足していない理由は「待ち時間」「医師の説明」「治療費」が多かった。満足していない理由と満足度の相関関係をみたところ、待ち時間が長くても、医師の説明が良ければ満足度が上がることが分かった。
また、受診の際にかかりつけ医など決まった医師の受診を最初に望む人は69.9%に上ったが、実際にかかりつけ医をもつ国民は全体の53.7%だった。