20年後を見据えた保健医療政策のビジョン策定を目指し塩崎恭久厚生労働相が設置した「保健医療2035」策定懇談会の初会合が24日、開かれた。座長には渋谷健司東大院教授が就任、委員は平均年齢42.7歳の有識者や厚労官僚など計14人で構成する。今後、月2回程度開催され、6月中をメドに報告書を取りまとめる方針。
●「少子高齢化に対応できるシステムを」
会合の冒頭で塩崎厚労相は、「わが国の保健医療については、経済・財政状況を踏まえつつ、医療技術の進歩などを積極活用しながら、国民の健康を一層増進し、かつ急激な少子高齢化の進展にも十分対応できる持続可能なシステムとすることが求められている」とコメント。現在進行している制度改革の動きを踏まえる一方、診療報酬の改定率など目先の議論ではなく短期・中長期的な課題の抜本的解決に向けた政策立案の必要性を強調した。
この日の会合では、20年後の保健医療のあり方を考える上で重要となるコンセプトについて意見交換が行われ、「健康寿命延伸の取り組み」「医療の質の評価」「持続可能な医療システム」「医療の国際展開」といったキーワードが挙がった。