株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 医師の偏在是正で「外来医師過多区域」の設定などを提案―新地域医療構想検討会

登録日: 2024-11-27

最終更新日: 2024-11-27

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

厚生労働省は1120日の「新たな地域医療構想等に関する検討会」に医師の病院・診療所間の偏在是正の具体案を示した。外来医師多数区域の中でもきわめて医師数の多い地域での新規開業を対象に、医療機能の事前届出制を導入することや都道府県の要請・勧告を受けた医療機関の保険指定期間の短縮を可能とすることなどを提案した。

外来医師多数区域の新規開業に関しては、現行でも地域に不足している医療機能の提供を要請するなどの取り組みが行われているものの、実効性を疑問視する声が上がっていた。

対応策として厚労省は、外来医師偏在指標が一定値(たとえば標準偏差の数倍)を超える地域を新たに「外来医師過多区域」に設定。当該区域での新規開業希望者に対して都道府県が、①開業の一定期間前(たとえば3カ月前等)に提供予定の医療機能の届出を求める、②地域で不足している医療機能の提供予定がない場合は地域の協議の場への参加を求める、③地域で不足している医療機能の提供等を要請できる―こととし、これらの一連の取り組みを医療法で規定することを提案した。

実効性を担保するための仕組みとして、(1)要請に従わない開業者には都道府県医療審議会で理由の説明を求め、正当な理由がない場合は勧告を行い、従わない場合は公表する、(2)要請・勧告を行った場合は保険医療機関の指定を6年から3年に短縮できるようにするなど、保険医療機関指定上の取り扱いを厳格化する―ことも提案。さらに保険診療の質向上を図る観点から保険医療機関の管理者を法律で規定し、一定期間の保険診療への従事を要件に設定する案も併せて示した。

■管理者要件の対象医療機関を公的医療機関などに拡大、勤務期間も延長

医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件について、①対象医療機関を現行の地域医療支援病院から公的医療機関、国立病院機構・地域医療機能推進機構等の病院にまで拡大する、②医師少数区域等での勤務経験期間を現行の6カ月以上から1年以上に延長する―見直しも提案した。実施の際には管理者のなり手不足を助長しかねないとの懸念に配慮し、(1)医師少数区域等に所在する対象医療機関の管理者になる場合は対象から除外する、(2)医師免許取得後9年以上経過している場合の勤務期間は断続的な勤務日の積み上げでよいことにする―などの例外措置を設ける考えも示した。

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top