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■NEWS 医師偏在是正の総合的な対策パッケージを決定―厚労省・推進本部

登録日: 2025-01-08

最終更新日: 2025-01-08

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厚生労働省の医師偏在対策推進本部は1225日、「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を決定した。総合的な医師偏在対策を医療法に基づく医療提供体制確保の基本方針に位置づけ、新たな地域医療構想や、医療従事者の働き方改革、オンライン診療の推進などと一体的に取り組むことを明記。施行後5年をメドに効果を検証し、十分な効果が得られなければ追加的対策を検討する方針も打ち出した。

対策パッケージは、(1)医師確保計画の実効性の確保、(2)地域の医療機関の支え合いの仕組み、(3)地域偏在対策における経済的インセンティブ等、(4)医師養成過程を通じた取り組み、(5)診療科偏在の是正に向けた取り組み―が柱。いずれも関係検討会のとりまとめを反映した内容となっている。

1)では、へき地以外の医師不足が特に深刻な地域を「重点医師偏在対策支援区域」(以下、重点区域)に設定し、都道府県が「医師確保計画」の中で当該地域を対象にした「医師偏在是正プラン」を策定する。

2)では、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関に、公的医療機関および、国立病院機構・地域医療機能推進機構・労働者健康安全機構の病院を追加するとともに、勤務経験期間を1年以上に延長する。

診療所の偏在対策も一部見直す。具体的には、外来医師数が特に多い「外来医師過多区域」の新規開業希望者に開業6カ月前の提供予定の医療機能等の届出を義務づけ、都道府県はその内容に応じて協議の場への参加の求めや地域で不足している医療機能の提供等の要請をできることとする。要請に応じない場合に勧告を行うことや、開業前に要請を受けた診療所の保険医療機関指定の期間を通常の6年から3年に短縮することも可能にする。

■重点区域の医師手当の増額支援は26年度予算編成過程に検討

3)の経済的インセンティブは重点区域を対象としたもので、26年度の予算編成過程において、重点区域の派遣・従事医師の手当の増額支援、医師の派遣元医療機関の支援―などを検討。医師手当の増額支援の財源は保険者からの拠出で賄う。重点区域の診療所の承継・開業支援は緊急的事項として26年度を待たずに先行実施する。(5)では、比較的労働時間が長い外科医師等について、業務負担への配慮・支援の観点から手厚い評価のあり方などを検討するとした。

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