厚生労働省は12月27日、入院時の食費の自己負担額引上げに関する告示案について、パブリックコメントの募集を開始した。食事療養基準額(食費の総額)の引上げに伴うもので、一般所得者では1食当たり20円引き上げる一方、住民税非課税世帯は10円の引上げに留める配慮措置を講じる。
現行の食事療養基準額は1食当たり670円。一般所得者の場合はこのうち自己負担額(食事療養標準負担額)が490円、保険給付額(入院時食事療養費)が180円に定められている。食材料費の高騰への対応として、2024年度診療報酬改定で食事療養基準額が640円から30円引き上げられたが、その後も食材料費の上昇傾向が続いているため、再度引上げを行うことになった。
今回の見直しでは食事療養基準額を1食当たり20円引き上げ、690円とする。入院時の食費では、保険給付部分が栄養管理に対する評価、自己負担部分が食材料費と調理費のコストへの手当てとなっている。このため一般所得者では引上げ額(20円)を全て食材料費相当部分に該当する自己負担の引上げに充てるが、住民税非課税世帯は引上げ額を10円に抑える。住民税非課税世帯に属する70歳以上の高齢者であって前年の公的年金収入が80万円以下等の場合の自己負担額は据え置く。
見直し後の自己負担額と保険給付額の内訳は、(1)一般所得者/自己負担510円、保険給付180円、(2)住民税非課税世帯/自己負担240円、保険給付450円、(3)住民税非課税世帯かつ収入が一定基準以下の高齢者等/自己負担110円、保険給付580円―となる。
パブリックコメントの募集は1月26日(必着)まで。2月中旬に改正内容を告示し、4月1日から施行する。