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■NEWS 25年度中間年改定に伴う薬価基準の改定案を了承―中医協

登録日: 2025-01-17

最終更新日: 2025-01-17

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中央社会保険医療協議会は1月15日に総会を開き、2025年度薬価改定に伴う薬価算定基準の見直し案を了承した。中医協におけるこれまでの議論や25年度予算編成過程の大臣折衝の結果に基づく内容だが、不採算品再算定については現下のインフルエンザの感染拡大を受け、対象品目に解熱鎮痛薬等を追加することとした。告示は3月上旬となる見通し。

25年度薬価改定では改定対象範囲を品目ごとの性格・役割に応じてきめ細かく設定。「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の対象品目や後発医薬品はイノベーションの評価や医薬品の安定供給の観点から対象範囲を狭く(乖離率5.2%超の品目)、長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)は後発医薬品への置き換えが進むよう広く(同2.6%超の品目)設定する。

既収載医薬品の薬価算定ルールでは、「新薬創出等加算」の累積額控除を中間年改定で初めて実施。最低薬価のルールは適用にあたって、最低薬価を近年の物価関連指数や賃上げの動向を踏まえ、約3%引き上げる。

■インフル流行への対応で解熱鎮痛薬等を不採算品再算定の対象に追加

原材料費の急騰や医薬品の安定供給確保への対応として、不採算品再算定も実施する。対象品目は当初、(1)基礎的医薬品とされたものと組成・剤形区分が同一の品目、(2)安定確保医薬品のカテゴリA・Bの該当品目、(3)厚生労働大臣が増産要請した品目(鎮咳・去痰薬)―とされていたが、インフルエンザが大流行している現状を重く見て解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム)や止血剤(トラネキサム酸)を追加することとした。

このほかに基礎的医薬品、後発医薬品等の価格帯、既収載品の外国平均価格調整と薬価改定時の加算を適用。その際、後発医薬品については、24年度薬価改定で試行的に導入した企業評価の結果を薬価設定に反映させる仕組みを、評価指標に少量多品目構造の適正化に関する指標などを追加した上で全面実施する。

■入院時食費の基準額引上げなど期中の診療報酬改定を諮問

同日は、福岡資麿厚労相が薬価の中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について中医協に諮問した。入院時の食費の基準額を20円引き上げて690円とすることなどが内容で、答申は次回以降の総会で行う。

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