日本医師会は7月29日、全国の病院における必要医師数調査の結果を公表した。現状の医師数に加えて確保が必要な医師数(必要医師数倍率)、必要医師数のうち求人中の医師数(必要求人医師数倍率)は、ともに2010年の厚生労働省調査と比べて増加は認められなかった。
調査は今年4~6月にかけて、全国の病院8462施設を対象に実施(有効回答率51.0%)。その結果、必要医師数倍率は1.11倍で、2010年の厚労省調査(1.14倍)に比べて減少した。必要求人医師数倍率も1.06倍と、厚労省調査(1.11倍)より低くなっていた。
中川俊男副会長は「(現場の医師数不足は)改善したとは言わないが悪化もしていない」とした上で、今後は医学部定員増以降の卒業生が現場に出てくることから、「医師の絶対数不足は明確に改善していく」との見解を示した。
一方で、診療科間、地域間での医師数の偏在は解消しておらず、診療科別では、リハビリテーション科、アレルギー科、救急科、産科などで必要医師数倍率が高かった。都道府県別では、福井県、秋田県、静岡県などが必要求人医師数倍率の上位を占めた。