日本病院会(堺常雄会長)は5月28日の定例会見で、勤務医不足に関するアンケート調査の結果を公表した。
同調査は昨年10~11月に実施。調査対象は日病の会員2431病院で、回答数は664病院(27.3%)。
5年前と比較した常勤医の数は、指定都市・中核市等では「増加した」と回答した病院が65%に上った一方で、郡部・町村の病院では43%が「減少した」と回答。常勤医が「不足している」と答えた病院は、指定都市・中核市等73%に対し、郡部・町村は93%で、医師の地域偏在の拡大が示唆された。
勤務医不足の解消に向けて取り組むべき対策(複数回答)については、「総合診療医の育成」「地域枠入学の活用」「医師の計画配置」などがそれぞれ70%以上の支持を集めた。
職業選択の自由の一部制限を含む医師の地域偏在・診療科偏在解消に向けた「規制的手法」について、塩谷泰一常任理事は「従来の対策とは異なるアプローチが必要という雰囲気が広がりつつある。特に地方の病院は規制的手法への期待は大きい」と述べた。ただし、堺会長は「慎重にクリアすべき課題も多い」と指摘した。