株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

DSM-5項目解説(3)

No.4719 (2014年10月04日発行) P.55

武田雅俊 (大阪大学精神医学教授)

登録日: 2014-10-04

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

3 双極性障害および関連障害群(bipolar and related disorders)
双極Ⅰ型障害(bipolar Ⅰ disorder)/双極Ⅱ型障害(bipolar Ⅱ disorder)/気分循環性障害(cyclothymic disorder)/物質・医薬品誘発性双極性障害および関連障害(substance/medication-induced bipolar and related disorder)/他の医学的疾患による双極性障害および関連障害(bipolar and related disorder due to another medical condition)

双極性障害は,DSM-Ⅳまでは気分障害としてまとめられていた抑うつ性障害から分離・独立した。躁病相,軽躁病相,抑うつ相の診断基準が述べられており,双極Ⅰ型障害の診断は,躁病相と抑うつ相の診断基準により,双極Ⅱ型障害は軽躁病相と抑うつ相の基準により診断される。
DSM-Ⅳの混合エピソードは廃止され,それぞれの病相に「混合性病像の特徴を伴う」との特定用語を付加することになった。
双極Ⅰ型障害だけでも10個の特定用語が用意されている〔不安による苦痛を伴う(with anxious distress),混合性病像の特徴を伴う(with mixed features),急速交代型(with rapid cycling),メランコリア病像の特徴を伴う(with melancholic features),非定型病像の特徴を伴う(with atypical features),気分に一致する精神病性病像を伴う(with mood-congruent psychotic features),気分に一致しない精神病性病像を伴う(with mood-incongruent psychotic features),緊張病を伴う(with catatonia),周産期発症(with peripartum onset),季節型(with seasonal pattern)〕。
それぞれの重症度を,軽度,中等度,中等~重度,重度の4段階で特定することになった。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top