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パーキンソン病における画像診断  【MRIの磁化率強調像とSPECTのDaTSCANは診断に有用】

No.4804 (2016年05月21日発行) P.54

鎌形康司 (順天堂大学放射線診断学)

登録日: 2016-05-21

最終更新日: 2018-11-27

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パーキンソン病(PD)の画像診断は,主にPDとそれ以外のパーキンソン症候群との鑑別に用いられる。PD診断に重要な情報は臨床症状や神経内科医の診察所見であるが,MRI,SPECTなどが鑑別診断に有効な場合がある。
脳MRIではPDに特異的な異常所見は認めないため,ほかのパーキンソニズムを呈する疾患を除外するために行われる。ただし,近年,磁化率強調像を用いると中脳黒質のnigrosome-1を可視化することができ,PD診断に有用という報告(文献1)がなされ,注目を浴びている。
nigrosome-1は,正常ではSWIの強度画像で卵円形の高信号領域として確認でき,周囲の黒質と内側毛帯の低信号に囲まれ,つばめの尾のように見える(swallow tail sign)。PDではnigrosome-1の高信号が不明瞭化し,病的な鉄沈着による所見と推定されている。
また,ドパミントランスポーターSPECTとして123I-FP-CIT(DaTSCAN)が,2014年初めからわが国でも日常診療において使用可能となった。123I-FP-CITは黒質線条体ドパミン神経終末の細胞膜に発現するドパミントランスポーターに集積するため,黒質線条体ドパミン神経終末部を画像化することができる。レビー小体病であるPD,レビー小体型認知症では,黒質線条体の神経細胞脱落を反映して,線条体への集積が低下する。

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