さあ秋ですよ。実りの季節、何でもおいしく食べましょう。
空腹は最高のソース(空腹にまずいものなし)。でもこの成句は、まずいものでも空腹ならば美味しく感じるという意味ですから、ごちそうになっているときに使うのはご法度、注意しましょう。
メニューを前に、さて何を頼みましょうか。カレー、それともハンバーグ。いろいろあるよ、どれにする?
「なんだっていい」。そんな投げやりな態度でなくて、食べたいものを教えてよ。
「じゃあ、カレーでいい」。
「で」なんて言わないで。ほら、メニューを渡すから決めてちょうだい。
「だから、カレーでいい、と言っているだろう」
「で」と言われても困ります。しぶしぶ了解したようにも受け取れるので、遠慮せずに本当に食べたい「が」の品を教えてくださいな。
しかしながら「で」の人は、バイキング料理のときでも席に座ったままで、自分では取りに行きません。「なんだっていいよ」というから見繕って皿に盛ってくると、ちょっとだけつまんで、あとは箸をつけないのです。お気に召さなかったのかな、それとも男は味に無頓着であるべきと躾けられたのかな? いずれにせよ、残された料理は恨めしげに下げられてしまいました。ああ、もったいない。
「で」と「が」。
「旅行にでも行くか」よりも「旅がしたい」のほうがより積極的に聞こえると思いませんか。「なんだっていい」という人は他人に選択肢をゆだねる奥ゆかしい人なのかもしれないけれど、相手に気を遣わせている場合だってあることを知ってくださいね。
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