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ぴんぴんころりで生涯を閉じたい [エッセイ]

No.4785 (2016年01月09日発行) P.67

加藤芳正 (北医療生活協同組合北病院整形外科)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-31

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  • つい最近、2013(平成25)年度の国民総医療費が40兆610億円と確定したとの発表があった。そのうち約4割は税金で賄われているが、国家予算がおおよそ100兆円であることから考えると、医療費がいかに高額であるかがわかる。ここで問題なのは、後期高齢者を含めた65歳以上の医療費が約23兆円と50%を超えていて、さらに、いわゆる団塊の世代が75歳以上になる10年後には、国民総医療費が60兆円、後期高齢者の医療費が30兆円になると試算されていることである。日本の女性の平均寿命は87歳と世界トップであるが、最近話題になっている健康寿命は女性73歳であり、平均寿命との開きが14年もあることを考えると、自立して生活ができていない寝たきりなどの高齢者に、いかに多くの医療費が費やされているかがうかがえる。

    日本の借金は1000兆円を超えた。毎年50兆円の借金が増えているようで、10年後には1500兆円になると予測されている。既にGDPの2倍を超えているが、ギリシャが1.6倍で破綻していることを考えると、なぜ日本が破綻しないのか不思議でならない。海外からの借金がないとか、土地や株などの国有財産が1500兆円あるからそれまでは大丈夫などと、能天気なことを言っている人もいる。つまり、借金と医療費が限界に達するであろう10年後の2025年には、日本もいよいよ破綻の道を歩むことになるのではないか。だからこそ、健康で生き続けコロッと人生を終わることが理想と言える。いくら医学が進歩したといっても、ただ生かし続ける医療に疑問はないのだろうか。

    ならば、健康を維持するためにはどうしたらよいのか。身体だけではなく頭の活性化も必要である。私は、1961年に米国の医学者ハルバート・ダンによって提唱されたウェルネスの精神、つまり、運動と日常生活習慣の改善によって健康を維持していこう、という考え方には大賛成である。

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