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冬の夜は関東煮 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(129)]

No.4834 (2016年12月17日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-12-17

最終更新日: 2016-12-08

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  • いまでは「おでん」のほうが一般的だが、関西では少し前まで、関東煮─「かんとうに」ではなくて「かんとだき」─と呼ばれることのほうが多かった。東京のおでんと大阪の関東煮には、出汁とかいろいろと違いがあるけれど、関東煮には絶対に入っていないものがある。それは、ちくわぶだ。

    ちくわぶを初めて食べた時の衝撃は忘れられない。竹輪麩やねんから、竹輪か麩かどっちかに似てなあかんやろ。それがいったいどういうことやねん。形だけが竹輪もどきで、その実体は小麦粉の塊、巨大なうどんの出来損ないみたいなもんやないか!

    大阪でもちくわぶが売られるようになってきているが、あれを好きという大阪人に会ったことがない。きっと外国や東京からの移住者が買うのだろう。これもグローバル化の影響かもしれん。たぶん違うけど。

    逆に、東京の人に、大阪ではおでんにタコを入れるというと驚かれることが多い。むちゃくちゃ美味しいのに、もったいないことだ。しかし、そのおでんのタコで、一度ひどい目にあったことがある。

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