改正個人情報保護法が今年5月30日に施行されるのを前に、個人情報保護委員会と厚生労働省は「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(案)を1月31日に公表した。3月1日までパブリックコメントを募集している。
ガイダンス案は改正法や、それに基づく「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」を踏まえ、従来の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を改訂。改正法で定義された「要配慮個人情報」(用語解説)の本人同意の考え方などを追加した。
それによると、要配慮個人情報の取得や第三者提供には原則、「本人同意が必要」とした上で、医療機関においては、「患者が医療機関の受付等で、問診票に患者自身の身体状況や病状などを記載し、保険証とともに受診を申し出ることは、患者自身が自己の要配慮個人情報を含めた個人情報を医療機関等に取得されることを前提としている」との考えを明示。「医療機関等が要配慮個人情報を書面または口頭等により本人から適正に直接取得する場合は、患者の当該行為をもって、当該医療機関等が当該情報を取得することについて本人の同意があったものと解される」としている。
このほか、あらかじめ本人同意を得る必要がない要配慮個人情報の取得の具体例として、①急病その他の事態が生じた時に、本人の病歴等を医師や看護師などの医療従事者が家族から聴取する場合、②児童虐待の恐れのある家庭情報のうち被害を被った事実に係る情報を、児童相談所、警察、 学校、病院等の関係機関が他の関係機関から取得する場合─などを挙げている。