臨床内科医会副会長の清水恵一郎氏(写真)は4日、受療者医療保険学術連合会(受保連)のセミナーで講演し、「緩い形のかかりつけ医」を導入することを提案した。
セミナーで清水氏は、高額療養費制度の見直しなど今後予定されている医療保険・介護保険制度の改正は「医療機関・介護事業者への給付抑制と利用者・家族に負担を強いている」としつつ、「制度の持続可能性を考えると実施しないといけない」との見方を示した。
その上で、複数の疾患を抱える高齢者がそれぞれの専門医にかかっている状況を問題視し、かかりつけ医が患者の全体の状況を把握して要所要所で専門医に送ることで、適切な医療の提供につながると提案。イギリスの家庭医のように制限の多い仕組みにするのではなく、複数のかかりつけ医を認めるといった「緩い形のかかりつけ医」が必要との考えを示した。
このほか、都内で心不全の在宅医療に取り組む弓野大氏(ゆみのハートクリニック)が講演し、「まずは医療者が医療の費用対効果を考える必要がある」と強調した。