HTLV-1母子感染予防対策マニュアルの改訂版が厚生労働省のHTLV-1対策推進協議会で3月22日、同省研究班から報告された。母子感染予防対策として、乳汁は原則的に完全人工栄養を勧めている。
乳汁選択は従来、母子感染リスクの低減に有効な方法として「完全人工栄養」「満3カ月までの短期母乳栄養」「凍結母乳栄養」が挙げられていた。改訂版では「原則として完全人工栄養を勧める」とし、母乳による感染リスクを説明しても母親が強く望む場合は、エビデンスが未確立であることを十分説明した上で、短期母乳栄養や凍結母乳栄養という選択肢もあることを説明するとした。
このほか、スクリーニング検査の進め方も変更。PCR法が昨年4月に保険収載されたことから、改訂版では「ウエスタンブロット(WB)法で判定保留だった場合、PCR法を行うことが望ましい」としている。
HTLV-1については、2010年に総合対策が取りまとめられ、対策を推進している。改訂版は、研究班の報告書として近く公表される。