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小児泌尿器科領域におけるロボット手術の現況と問題点【臨床試験では重篤な合併症もなく好成績。問題点は保険適用外とエビデンス不足】

No.4873 (2017年09月16日発行) P.60

宮北英司 (東海大学医学部付属大磯病院泌尿器科教授)

林 祐太郎 (名古屋市立大学大学院医学研究科小児泌尿器科学分野教授)

登録日: 2017-09-17

最終更新日: 2017-09-12

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  • 小児泌尿器科領域におけるロボット手術の現況と問題点について,名古屋市立大学・林 祐太郎先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    宮北英司 東海大学医学部付属大磯病院泌尿器科教授


    【回答】

    小児泌尿器科領域では,腎・尿路・生殖器の先天異常に対する手術治療が行われますが,従来の開放手術に腹腔鏡手術という選択肢が加わり,さらに近年ではロボット手術も行われるようになってきました。手術支援ロボット「da VinciTMサージカルシステム」は,高解像度の3D画像,関節機能を持つ自由度の高い鉗子,手ぶれ防止機構などを有し,これまでの腹腔鏡手術と比べ微細な操作が可能で,体腔内の縫合操作が容易という特徴があります。

    小児泌尿器科疾患の中でも日常診療でよくみられる水腎症(腎盂尿管移行部通過障害)や膀胱尿管逆流に対する手術は,がんに対する摘除術とは異なり,患児の腎機能を生涯にわたって維持するための尿路「再建」手術です。これらの手術では縫合操作が多くなるため,ロボット手術は理想的と考えられます。ただ,現時点でロボット手術は前立腺・腎の悪性腫瘍に対してのみ保険適用となっており,小児泌尿器科領域におけるロボット手術は臨床試験として行われているのが現状です。

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