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ノーベルファーマ:「ラパリムス錠」、世界初の難治性リンパ管疾患治療薬に[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5085 (2021年10月09日発行) P.15

登録日: 2021-10-05

最終更新日: 2021-10-06

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ノーベルファーマは9月27日、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害剤「ラパリムス錠1mg」(一般名:シロリムス)について、従来の「リンパ脈管筋腫症」に加え、「難治性リンパ管疾患」の効能・効果の承認を同日付で取得したと発表した。難治性リンパ管疾患治療薬の承認は世界初となる。

難治性リンパ管疾患(リンパ管腫、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症)はPI3K/AKT/mTOR系のシグナル伝達の異常が確認されており、mTORの異常活性を抑制するシロリムスを有効成分とするラパリムス錠が治療薬候補として注目、開発が進められてきた。

難治性リンパ管疾患患者を対象に有効性・安全性を検討した多施設共同第3相医師主導治験でラパリムス錠投与開始52週後の標的病変の奏効例は11例中6例(奏効率54.5%)だった。

適応追加に当たっては、日本人での投与経験が極めて限られていることから、一定数のデータが集積されるまで全症例を対象に使用成績調査を実施することが承認条件とされた。

シロリムス(別名:ラパマイシン)はイースター島の土壌から分離された放線菌Streptomyces hygroscopicusの代謝産物。1970年代にマクロライド系抗生物質として見出され、その後、免疫抑制作用を有することが明らかとなった。

難治性リンパ管疾患に使用する場合の「ラパリムス錠」の用法・用量
体表面積が1.0㎡以上の場合は2mg、1.0㎡未満の場合は1mgを開始用量とし、1日1回経口投与。以後は、血中トラフ濃度や患者の状態により投与量を調節するが、1日1回4mgを超えないこと

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