遠隔診療の評価拡大に向けた具体的な議論がスタートした。1日に開かれた中央社会保険医療協議会総会では、厚生労働省が遠隔診療を「対面の補完」と位置づけた上で、論点として「対象患者」「実施条件」を提示。個別項目では、持続陽圧呼吸(CPAP)療法について遠隔モニタリングによる管理を評価する案を示した。
1日の会合で厚労省は、福岡市が「かかりつけ医」機能強化事業として実施する、遠隔診療に関する実証事業の概要を説明。訪問診療、外来診療ともに一定の成果があったとし、診療報酬での評価に当たり、①一定の受診期間、②事前の治療計画の作成・患者の同意の取得等─などを要件とすべきと提案した。
これを受け、松本純一委員(日本医師会)は「遠隔診療はあくまで対面診療の補完」とこれまでのスタンスを改めて強調。評価に当たっては、「医療の質が上がったという科学的なデータが必要。患者の利便性を高めることを主な目的とする遠隔診療は認められない」と主張し、対象患者や実施条件の設定など、慎重な運用を求めた。
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