株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

デジタルマンモグラフィの功罪【利点は多いが,濃度・空間分解能はアナログより低い。自動補正が診断を困難にすることも】

No.4894 (2018年02月10日発行) P.57

川島博子 (金沢大学医薬保健研究域保健学系医療科学領域量子医療技術学講座教授)

白岩美咲 (香川県立中央病院乳腺センター部長)

登録日: 2018-02-07

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 今やほとんどの施設でデジタルマンモグラフィが導入されています。デジタルシステムは過去画像との比較など便利なことも多いのですが,アナログマンモグラフィで指摘された所見がデジタルマンモグラフィではわからず,困ることもあります。デジタルマンモグラフィを使用する上での注意点を教えて下さい。香川県立中央病院乳腺センター・白岩美咲先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    川島博子 金沢大学医薬保健研究域保健学系医療科学領域量子医療技術学講座教授


    【回答】

    アナログマンモグラフィをフィルムで読影していたのが,デジタルマンモグラフィをモニタで診断する時代になり,ご指摘のような所見のわかりづらさを耳にすることがあります。これには以下のような理由が考えられます。

    (1)濃度分解能の違い

    モニタはフィルムに比較して濃度分解能が低く,微妙な濃淡の違いが表現しにくくなっています。このためモニタ診断では,腫瘤の候補を見つけた場合,window/levelを調整し,明るさ・コントラストを変更して,観察することが重要です。観察の際には,腫瘤としての形が認識できないか,辺縁がないか,内部構造が周囲の乳腺組織と真に同一であるか,詳細に検討していきます。また,輝度の高いモニタを使用することも必要です。マンモグラフィ診断では,CTやMRI診断のモニタより輝度の高い500~600cd/m2のモニタが使用されており,最近では,最高輝度1000cd/m2のモニタも開発されています。

    残り692文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top