厚生労働省は17日、2017年9月時点における病院の耐震改修状況調査の結果を公表した。病院全体の耐震化率は72.9%(前年比1.4ポイント増)で、病院のうち災害拠点病院および救命救急センターの耐震化率は89.4%(前年比1.8ポイント増)だった。
調査は都道府県を通じて昨年10月に実施。全国の病院8434施設のうち8411施設が回答した。
調査結果によると、全ての建物に耐震性がある病院は6130施設(72.9%)だった。一方、一部の建物に耐震性がある病院は674施設(8.0%)、全ての建物に耐震性がない病院は141施設(1.7%)あり、これらのうち288施設では震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する危険性が高い建物が含まれていた。1466施設(17.4%)は耐震診断を実施しておらず、建物の耐震性が不明だった。
都道府県別で耐震化率が最も高かったのは滋賀(89.5%)で、宮城(88.6%)、静岡(86.7%)がこれに次ぐ。最も低かったのは京都(60.4%)で、次いで福島(61.9%)、大阪(64.5%)となっている。全ての建物に耐震性がない病院のうち、約3割が東京(34施設)と大阪(12施設)に所在していた。
災害拠点病院と救命救急センターの計734施設のうち、全ての建物に耐震性がある病院は656施設(89.4%)で、耐震化率は今年度中に90.1%となる見込み。