□手指による圧迫止血を5分以上行う。
□圧迫のみで止血が困難な場合,鼻内に3000倍ボスミン®液付き綿球または2cm×10cm程度のガーゼを挿入後,再度圧迫する。少量の出血が持続する場合は,止血するまで軟膏付きガーゼを挿入する。
□なおも止血困難な場合はいったんガーゼを抜去し,バルーンタンポンを使用する。通常は患側鼻腔から尿道用バルーンカテーテルを挿入し,上咽頭腔でバルーンを膨らませる。バルーンを前方に引いて後方への血液の垂れ込みを防止した後,さらに鼻内に軟膏付きガーゼを止血するまで挿入する。
□手指の圧迫で止血されればKiesselbach部位からの出血と考える。止血困難な場合は出血点の確認が望ましいが,救急の現場では困難なことが多い。
□多くは特発性だが,鼻・副鼻腔腫瘍や手術の既往がある場合は,耳鼻科受診を指示する。耳鼻科にて鼻内内視鏡検査や必要に応じて画像診断(CT,MRI)を行う。
□帰宅後の再出血で再受診し,かつ出血点が不明な場合は耳鼻科受診または入院加療が望ましい。
□少量でも出血が続く場合は帰宅させてはならない。
□圧迫のみで止血が完了した場合は帰宅させる。帰宅の際,坐位で両側鼻翼をつまみ,鼻中隔前方を圧迫する正しい止血法を指導し,再出血に備える。場合により,止血薬を処方する。
□鼻内にガーゼを挿入して止血した場合は,後日耳鼻科を受診させる。
□①バルーンタンポンを使用して止血した場合,②少量でも出血が続く場合,③出血量が多く貧血が進行した場合,は入院適応である。
▶ 堀 進悟, 他, 編:救急レジデントマニュアル. 第5版. 相川直樹, 監. 医学書院, 2013.
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