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総胆管結石症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
本定三季 (東京医科大学消化器内科学分野)
糸井隆夫 (東京医科大学消化器内科学分野主任教授)
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  • ■疾患メモ

    総胆管結石症(choledocholithiasis)が全胆石症に占める割合は約20%で,無症候性の場合もあるが,多くは胆汁うっ滞をきたし閉塞性黄疸や胆管炎の原因となる。

    内視鏡治療が第一選択となる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    上腹部痛(食後に増悪することが多い),嘔吐,黄疸,褐色尿などがみられる。

    しばしば胆管炎を合併し,その特徴的所見として右季肋部痛,黄疸,発熱のCharcotの3徴がよく知られている。胆管炎は重症化すると,ショック,意識障害をきたすことがある(Reynoldsの5徴)。

    無症状に経過する例も少なくなく,健診などで異常を指摘され診断される場合もある。

    【検査所見】

    血液検査:胆汁うっ滞を反映し,肝・胆道系酵素(AST,ALT,LAP,γ-GTP)やビリルビンの上昇をきたす。

    腹部超音波:簡便で,最初に用いられることが多い。結石は音響陰影を伴う高エコーとして胆管内に描出されるが描出率は25~75%程度である。肝内胆管拡張や胆嚢腫大などの補助所見が診断に役立つ場合がある。

    CT:総胆管結石診断に最も汎用される検査である。検査の際には単純CTと造影CTの両者を撮像することが望ましい。ただし,Ca含有量の低い純コレステロール結石は描出されないので注意が必要である。

    MR胆管膵管撮影(MRCP):診断能は感度・特異度ともに高く,きわめて有用な検査である。胆石性膵炎で結石が胆管末端に嵌頓している場合は評価が難しいことがある。

    超音波内視鏡(EUS):最も空間分解能の高い画像検査法のひとつである。術後再建腸管例では描出困難な場合があるが,上記の検査法で検出できないような5mm以下の小結石の検出に有用である。

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