□IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-related sclerosing cholangitis)は,IgG4関連全身疾患の一部分症である。
□IgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012を参考に診断する1)。
□胆管像により4型に分類され,膵癌,胆管癌,原発性硬化性胆管炎との鑑別が重要である(図)2)。
□自己免疫性膵炎を合併することが多いが稀に単独で発症することがあり,その場合は診断が難しい。
□胆管壁の肥厚による胆管の狭窄を認めるが,ステロイドに良好に反応する。
□閉塞性黄疸や肝障害で発症する。
□肝・胆道系酵素の上昇を認める。
□血清IgG4値が高値を呈する。
□自己免疫性膵炎,唾液腺炎,後腹膜線維症など他臓器のIgG4関連疾患の合併は診断に有用である。
□画像診断上,限局した胆管狭窄像からびまん性の胆管狭窄像まで様々な胆管像を呈するため,鑑別すべき疾患は多彩である2)。限局した胆管狭窄像を呈した場合は胆管生検により悪性疾患を除外することが大切である。びまん性の胆管狭窄像を呈した場合は,IgG4関連硬化性胆管炎の狭窄は長く,原発性硬化性胆管炎の特徴的な所見を認めないことが重要な鑑別点である。
□胆管壁の肥厚が広範囲に認められ,胆管上皮障害を認めないことが特徴的であり,超音波内視鏡や管腔内超音波検査が診断に有用である。
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