□ブルセラ属の細菌に感染することで起こる人畜共通感染症である。
□家畜が代表的な宿主であるが,日本国内では稀である。主には途上国などでブルセラ属の細菌に汚染された非加熱乳を摂取するか,あるいは家畜などから直接傷口や粘膜に菌が入ることで感染が成立する。
□渡航歴の聴取,特に現地での行動を聴取することは,ブルセラ症の診断では重要である。
□4類感染症に指定されており,診断した医師は届出の義務がある。
□1~3週間(時に数カ月)の潜伏期間を経て発症。
□発熱,倦怠感,全身筋肉痛,骨痛などを認める。
□軽症例では発熱・倦怠感のみなど,いわゆる「感冒様症状」のみのこともある。
□典型的な経過としては午後から夕方の発熱を数週間にわたって繰り返す。
□一般的な血液検査などでは特異的な所見は認めない。白血球数も上昇しないことが多く,肝酵素が軽度上昇することもある。
□血液培養にて,ブルセラ属菌を検出することが重要である。
□補助診断として血清抗体価の測定も参考になる。ただし,抗体は他の細菌(Yersinia spp.など)との交差反応もあるため,偽陽性との区別に苦慮する場合がある。抗体を診断に用いる場合には,総合的に判断する。
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