□皮脂腺の多い脂漏部位や間擦部に生ずる,日常よく見る慢性の皮膚炎である。
□乳児と成人では臨床像が異なって連続性もなく,後者は中年男性に多い。乳児を除けば必ずしも皮脂の分泌増加を伴わず,その質的変化が想定される。
□脂漏部位に常在するマラセチア菌により分解された皮脂による刺激や菌に対する免疫反応が炎症をもたらすと考えられる。
□乳児では脂性の厚い痂皮(乳痂)を伴う紅斑が,頭皮と顔面,おむつ部にみられる。
□成人では頭皮,眉毛内側から眉間,鼻唇溝,耳介内側と後面,胸背部に好発し,時に腋窩や乳房下,臍部,陰股部など間擦部に認める。
□油脂性あるいは乾いた鱗屑を付着する黄色調の紅斑を呈し,頭皮はフケ症となる。体幹はしばしば長円形の局面を多発する。
□そう痒はあっても軽い。
□特異的な所見はないが,酸性メチレンブルー液を用いた鱗屑の直接鏡検でマラセチア菌の酵母形を観察できる。
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