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脱毛症(円形脱毛症)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-20
乾 重樹 (大阪大学医学部皮膚科学教室招聘教授/心斎橋いぬい皮フ科院長)
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  • ■疾患メモ

    円形脱毛症は毛包に対する自己免疫による非瘢痕性脱毛症であり,頭髪,眉毛,睫毛,髭,陰毛,体毛など,身体のどの部位にも生じうる。病名が示す通り,脱毛は円形となる場合が多い。

    多くは完治に至るが,慢性に経過し全頭や全身のすべての毛が抜け,難治となることもある。

    生涯有病率は約1.7%とされる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    頭髪が抜けて円形の脱毛斑を形成,場合によっては多発する。

    全頭髪もしくは全身の毛が抜ける場合もある。したがって,全身のどこの毛も罹患する可能性がある。

    脱毛は明確に円形とならずにびまん性に生じることもある。

    【検査所見】

    臨床症状から診断できる場合が多いが,確定のため検査所見も参考となる。

    ダーモスコープという拡大鏡を用いて観察すると,黒点,切れ毛,漸減毛(感嘆符毛)(),黄色点,短軟毛がみられる。前三者は病勢と正に,短軟毛は負に相関する1)

    14_30_脱毛症(円形脱毛症)

    皮膚生検を行うと,病理組織学的に毛球部周囲に主にリンパ球の浸潤を認める。ただし,この所見は病勢が活発なときには得られるが,慢性となり症状固定となった状態ではその変化は目立たず,多くの毛包が休止期となっている以外,変化が見つかりにくい。

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