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Vogt-小柳-原田病

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2019-04-01
上尾礼子 (関西医科大学香里病院皮膚科診療部長)
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  • ■疾患メモ

    汎発性脱色素斑に,ぶどう膜炎・髄膜炎・難聴を三徴として合併する。

    全身のメラノサイトを標的とする原因不明の自己免疫疾患と考えられる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    Vogt-小柳-原田病は,メラノサイトを含むぶどう膜・髄膜・内耳・皮膚・毛根など全身の色素細胞に対して免疫反応を起こす自己免疫疾患と考えられている。近年,患者末梢血よりgp100を認識してRANTESやIFNを産生するTh1細胞が同定されており,Vogt-小柳-原田病の発症原因として重要視されている。

    頭痛,咽頭痛,発熱や神経学的症状などの感冒様症状から始まることが多い。その1~2週間後に急激な眼症状(両眼性急性ぶどう膜炎,虹彩毛様体炎,脈絡膜炎)が現れ,視力低下,漿液性網膜剥離を引き起こす。この時期には耳鳴り,感音性難聴,平衡障害,リンパ球増多を伴う髄膜炎を伴うことが多い。

    皮膚症状は発症から1~3カ月後に出現することが多く,白斑が眼囲では左右対称性に,体幹四肢では散在性に出現し,尋常性白斑と鑑別ができない完全脱色素斑となる。白毛は眉,頭髪,体毛などにみられる。

    【検査所見】

    髄液検査:リンパ球の増多。

    眼底検査:両眼性の漿液性網膜剥離,回復期には夕焼け眼底。

    皮膚病理検査:白斑部でのメラノサイトの消失。

    聴覚検査。

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