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粉瘤(表皮嚢腫)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-20
平田 悠 (北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室)
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  • ■疾患メモ

    粉瘤とは,一般に毛包漏斗部由来の上皮成分が真皮に陥入・増殖し,嚢腫内腔に粥状物が詰まっている嚢胞性病変の総称である。また,皮膚腫瘍として最も高頻度に遭遇する嚢胞性病変の大部分は表皮嚢腫である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    主に頭頸部,体幹部に好発し,ドーム状に隆起した可動性を有する(被覆表皮との可動性はない)1~5cm大の皮内ないし皮下腫瘍。典型例では腫瘤頂点に黒点状の開口部を有する。

    通常,自覚症状は認められないが,二次感染をきたすと発赤,腫脹,圧痛が出現する。

    【検査所見】

    皮膚エコー検査では,表皮への開口部とそれに連続するいわゆるさざ波状の内部エコーが観察される。また,嚢腫外側陰影の増強と後方エコーの増強がみられる。一方で,炎症を伴った場合は嚢腫壁は破壊され,外側陰影の消失と不整な壁構造を認める。

    MRI検査では,典型的なT2 high T1 lowの嚢腫パターンを示す1)

    ■治療上の一般的注意&禁忌

    【注意】

    高齢者,糖尿病患者,免疫抑制剤内服患者などは二次感染をきたすことが多く,発見や治療が遅れ,感染が拡大することがあるため注意が必要である。

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