□粘液嚢腫とガングリオンは手足に多くみられる軟部腫瘍である。
□粘液嚢腫は口腔粘膜部にも生じる。指趾の粘液嚢腫は病理組織学的にmyxomatous typeとganglion typeに分類される。
□myxomatous type:線維芽細胞によるヒアルロン酸の過剰産生が誘因とされる。関節包との連絡はなく真皮に限局している。
□ganglion type:骨棘の刺激により生じた関節膜のヘルニアによる。DIP関節部に生じた場合,粘液嚢腫とガングリオンの鑑別が問題となる。
□口腔粘膜発生例は粘液嚢腫に限定される。口底部は舌下腺,顎下腺に由来し,口唇部に生じた粘液嚢腫は小唾液腺につながる唾液腺管からのシアロムチンの貯留が誘因とされる。
□口腔粘膜,指趾の爪周囲やDIP関節部に生じやすい。指趾の粘液嚢腫は大きさ5mm前後でドーム状に隆起し,淡紅色や正常皮膚色を呈した単発性で弾性軟の嚢腫様結節である。
□口唇の粘液嚢腫は色調は紅色から青色を呈し,大きさ2~20mm程度のドーム状に隆起した粘膜下腫瘤である。無痛性であり,内容物にゼリー状の粘液を認める。
□手足に発症する軟部腫瘍のうち,50~70%と高い頻度を占める。
□手関節背側,橈骨手根屈筋腱橈側,MP関節掌側などで,関節包,腱鞘や靭帯などから生じる。
□表面平滑で正常皮膚色のドーム状に隆起した可動性のある円形の腫瘤として認められる。大きさは手指では5mm程度であり,手関節は1~2cmのものが多い。
□穿刺によりゼリー状の内容物の排出を見る。超音波で嚢腫は均一に描写され,MRI画像診断ではT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の均一な嚢腫様病変を確認することは有用である。
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