□結核性関節炎は稀な疾患であるため,変形性関節症,関節リウマチ,骨壊死,化膿性関節炎などとの誤診率が高い。ことに近年,関節リウマチに対する生物学的製剤使用例における関節結核発症例が散見されるようになり注意を要する。
□典型的な感染徴候を伴わないことが多く,疼痛,腫脹,可動域制限といった初期症状では,他疾患との鑑別は困難である。鑑別診断の際は肺結核の合併も念頭に置き,発熱,咳嗽,体重減少についても確認する。
□関節穿刺による関節液検査が必須である(抗酸菌塗抹,液体培養,遺伝子同定検査)。化膿性関節炎を疑う場合や,関節リウマチの急性増悪を疑う場合でも,念のため一度は関節液抗酸菌検査を行うべきである。画像所見では初期病変の診断は困難である。
□CT,MRIで骨髄内病変がある場合,膝や股関節では骨壊死と誤診されることが多い。血液検査ではQFTやT-SPOTなどのインターフェロン(IFN)-γ遊離試験も診断の一助となるが,それのみでの確定診断はできない。
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