□1968年にAhlbäckにより報告された高齢者の退行性膝関節疾患である1)。
□男女比は1:3で女性に多く,65~70歳に好発する2)。
□変形性膝関節症に比較し,患者は痩せ形の体型で,膝の内反変形も軽度である。
□骨髄内病変であるが,関節軟骨近傍に発生するため,軟骨変性をきたす。
□病変の進行とともに関節面の不適合により,変形性膝関節症に移行する。
□突然発症する激しい内側関節裂隙部の疼痛を特徴とする。
□疼痛は激烈で,発症から直ちに受診する例が多い。
□夜間痛を伴うことが多い。
□平地歩行時よりも階段昇降など膝関節に負担のかかるときに疼痛を自覚する。
□関節水症により膝関節上嚢全体が腫脹する。
□疼痛により膝関節の可動域制限が生じる。
□大腿骨内側顆が好発部位で,単純膝関節正面X線像により,関節面の直上に硬化暈(sclerotic halo)で囲まれた半卵円形の透亮像を示す。軟骨下骨が平坦化した石灰板(calcified plate)を認める(図)。
□発症初期ではX線学的に病的所見を認めず,その後,大腿骨内側顆部に骨吸収像とその周囲に硬化像が出現する。軟骨下骨が脆弱化して陥没し,石灰板が形成される。最終的には変形性膝関節症に移行する(表)3)。
□骨シンチグラフィーではX線学的に所見のない初期でも集積像を認める4)。
□MRIでは病巣の形態,病巣内関節液の流入,周辺の骨髄浮腫などが明瞭に描出され,診断に有効である。
□関節液の性状は黄色漿液性で混濁はない。
□特徴的な検査所見は認めない。
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