株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

ガングリオン

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
長岡正宏 (日本大学病院院長)
    • 1
    • 2
  • next
  • ■疾患メモ

    ゼリー状物質が溜まる腫瘤で,関節や腱鞘の近傍に発生する。軟部腫瘍ではない。手関節背側に頻発し,腫瘤を触知するが疼痛を訴えないことが多い。

    発生部位により治療法が異なるが,一般的には穿刺吸引する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    手に多い。

    穿刺によりゼリー状の内容物が吸引されればガングリオンと診断する。

    最も多いのは手関節背側の無痛性腫瘤である。時に圧迫感,疼痛がある。

    手関節掌側橈側,手掌中手指節(MP)関節の腱鞘ガングリオンも発生する。

    手関節背側以外の部位では末梢神経障害の原因となることがある。

    ・肩:肩甲部ガングリオンによる棘上筋麻痺

    ・肘:肘内側ガングリオンによる肘部管症候群,肘橈側ガングリオンによる後骨間神経麻痺

    ・手関節:手関節掌尺側ガングリオンによる尺骨管症候群

    ・足関節:足関節内側ガングリオンによる足根管症候群

    膝関節半月板ガングリオンは疼痛の原因となることがある。

    稀に骨内や筋肉内,神経内に発生する。

    自然消褪することがある。

    【検査所見】

    超音波検査:無エコー像。

    MRI:T1強調像で低信号,T2強調像で高信号。

    X線:骨内ガングリオンの診断。

    1190疾患を網羅した最新版
    1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中


    PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
    コチラより

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    page top