株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

びまん性特発性骨増殖症(DISH)[私の治療]

No.5250 (2024年12月07日発行) P.36

永島英樹 (鳥取大学医学部感覚運動医学講座整形外科学分野教授)

登録日: 2024-12-08

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis)は,英語名の略語であるDISHと呼ばれることが多い。Resnickらは連続4椎体以上の脊椎靱帯骨化を有するものと提唱し,この診断基準が広く使われている。

    ▶診断のポイント

    主に前縦靱帯骨化によるものが多い。脊椎靭帯骨化で連結された椎間は,動きを失うため脊椎の可動域制限を生じる。しかし,それ以外には特異的な症状に欠け,連続4椎体以上の脊椎靱帯骨化が画像で認められれば診断となる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    脊椎の可動域制限に対する治療はない。変形性脊椎症などの疾患に対して行った画像検査で,たまたまDISHの合併が判明することがほとんどである。したがって,主たる疾患に対する治療を行うことになる。

    DISHで注意すべきことは,脊椎骨折を生じたときである。2009年に報告されたシステマティック・レビューによると,9.1%の患者が初診時に骨折と診断されていなかった1)。X線写真では骨折がはっきりしないことや,骨折の範囲もわかりにくいことが多いので,外傷によって腰痛,背部痛,または頸部痛を訴えるDISH患者に対しては,早急にMRIも行って骨折を確認することが望ましい。連続4椎体以上の動きが失われているので,脊椎骨折といえども長管骨(大腿骨など)骨折のようになる。すなわち,受傷直後は椎体のみの骨折であっても,時間の経過とともに椎弓などの後方成分にも骨折が及ぶことも多く不安定となるので,DISH患者の脊椎骨折は基本的に手術適応である。

    残り685文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top