□内反足は特発性と,症候性あるいは麻痺性にわかれるが,一般に先天性内反足と表記された場合は特発性を指し,ここでは特発性について述べる。
□発生頻度はおよそ0.1%,性差は2:1で男児に多い。病因は明らかでないが,子宮内機械的圧迫説,胎生期発育停止説,胚芽欠損説,遺伝説などが挙げられる。変形の本質は足根骨,特に距骨の形成不全と変形,足根骨間の配列異常,さらに関連する腱や靱帯など軟部組織の異常に集約される。
□生下時より足部は底屈位,過度の内がえし位を呈しており,通常見逃されることはない。子宮内肢位の遺残が一見同様な変形をきたし,出生直後の産院で内反足と疑われることもあるが,この病態における内反位は容易に良肢位に矯正されるので鑑別は難しくない。
□内反足の特徴的な足部変形は後足部内反,尖足,前足部内転,凹足が組み合わさったものであり,容易に矯正できない拘縮を伴っている(図1)。
□臨床的に診断は可能であるが,新生児期の単純X線像においては患側距骨の骨化核に明らかな発育不全を認める。
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