□上部尿路結石(腎結石,尿管結石)は,尿路結石症全体の96%を占める。2005年の全国疫学調査によると,年間罹患率は人口10万人対134人(男性192人,女性79人)と男性に多い。男女ともに増加傾向にあり,1965年と比べ約1.6倍に増加している1)。
□受診の契機となる症状として,腎結石では肉眼的血尿が多いが,疝痛発作は少ない。尿管結石では片側の腰背部から下腹部にかけての疝痛発作および肉眼的血尿が多い。
□尿管結石による疝痛発作は突然発症する激痛であり,体位による変化がなく,悪心や嘔吐などの消化器症状を合併することもある。
□結石の移動とともに疼痛部位が移動することがある。
□検尿:尿潜血陽性,沈渣に赤血球を多数認める。ただし,結石が尿管に嵌頓している場合には尿潜血を認めないことがある。
□血液検査:特徴的な所見はないが,結石が尿管に嵌頓している場合には腎後性腎不全を呈することがある。
□超音波検査:腎結石の診断や尿路通過障害による水腎症を確認できる。しかし尿管結石の診断は困難なことが多い。
□KUB(単純X線写真):尿路に一致した部位に石灰化像を認める。しかし,尿酸結石やシスチン結石などのX線透過性結石の診断は困難なこともある。
□単純CT:上部尿路結石の標準的診断方法とされ,X線透過性結石の診断も可能である。
1190疾患を網羅した最新版
1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中
PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
➡コチラより